唯識思想入門

B-2 唯識思想入門 ―良遍『二巻鈔』を読む―

講師

橘川 智昭 先生(東洋大学非常勤講師)

開講日

第2、第4木曜日 14:00-15:30 全12回

①5/23 ②6/13 ③6/27 ④7/11 ⑤9/12 ⑥9/26

⑦10/10 ⑧10/24 ⑨11/14 ⑩11/28 ⑪12/12 ⑫1/23

講座開始日

2024年5月23日(木)

申込締切日

  2024年5月9日(木)

講義形式

対面形式(定員30名)およびZoomによるオンライン形式の併用

参加費

2000円(全12回分)

2022年度講座風景©東京大学仏教青年会

テキスト

良遍著『二巻鈔』(大日本仏教全書 第32巻)

講義のねらい

本講座では仏教の基礎分野と言われる唯識思想について、日本の良遍(1194~1252)が著した『二巻鈔』を読みながら学びます。これまで仏教や漢文を学んだことがない方にも唯識思想の主要な考え方や用語を習得していただけるような講義です。途中回からのご受講に対しても、講師がフォローいたします。

講義内容

唯識仏教は日本では奈良の興福寺・薬師寺などの法相宗として知られますが、その教学は世親(Vasubandhu)『唯識三十頌』の註釈書として唐初期に生まれた玄奘訳『成唯識論』(十巻)が中心となり、さらに窺基・慧沼・智周といった唐代諸師の註疏が加わるなどして浩瀚で精緻な理論体系を誇るものとなりました。唯識思想を学ぶには、本来ならばこの『成唯識論』を丁寧に読むことが求められますが、どうしても相当な時間を要します。

日本では唯識習得の第一歩を踏み出そうとする人のための入門書として、良遍の『二巻鈔』が広く読まれてきました。良遍は鎌倉時代を代表する学僧であり、幼くして興福寺で出家し、覚遍について唯識を学び、のちに諸寺に住して多くの著述をなして唯識思想を宣揚した人物です。この『二巻鈔』は別名に『法相二巻鈔』『唯識大意』とも呼ばれ、良遍が実母のために仮名交じりの文章を用い、時おり和語を交えながらできるだけ平易に説き明かそうとしたものです。本書は同じく良遍の『観心覚夢鈔』(漢文)とともに唯識学入門書として古くから親しまれており、限られた時間で唯識思想の大綱を学ぶのに相応しいものと言えます。予習は必要ありません。

備考