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漢文仏典講読会

漢文仏典購読会 竹村牧男先生
竹村牧男先生 (C)東京大学仏教青年会

講 師

竹村牧男 先生

開講日

第3木曜日 13:00―14:30  

使用テキスト

岩波文庫『大乗起信論』

講義内容

大乗仏教の教理の信頼しうる綱要書は以外と少ないものです.その中,代表的なものとして,唯識思想に拠る『摂大乗論』と如来蔵思想に拠る『大乗起信論』があります. 『摂大乗論』は無著が著わしたもので,瑜伽行派の文献としていかにも正統的なものです.
それに比べると『大乗起信論』は,著者も訳者も定かでなく,インド成立なのか中国成立なのか決め手を欠き,必ずしも正統的とは言い難いものです. しかし,比較的少ない分量の,一心・二門・三大・四信・五行という組織だった構成の中に,大乗仏教の核心を組み込んだようなところがあり,古来,広く愛読されてきました. 五行に堪え得ない者のために,勝方便として念仏のことが説かれていることも,興味深いことです.

『私は『大乗起信論』は,根底に真如門・生滅門のいわば中観の二諦説を置きつつ,如来蔵思想と唯識思想を融合させて,その全体を統合したものと見ています. 少なくとも,インド大乗仏教各派の思想史を受け継いだものであることは,間違いないと思われます.

中に有名な「本覚」という言葉も出ますが,それは生滅門に出るもので,真如門にはありません. いったいこの『大乗起信論』は何を説こうとしていたのか,皆さんと一緒に始めから終わりまで読む中で,もう一度,考え直してみたいと思っています.

備考

テキストは,コピーで配布(実費のみ有料)もいたします.参考書等については,適宜,講義のなかで伝えます.